「筋トレはフルレンジのほうが効果があると聞いたけど、パーシャルのほうが高重量を扱えるし回数も多くできる、なんでフルレンジのほうが良いんだろう?」
「トレーニングをしていて可動域はフルレンジでやっているけと、どうしても筋肉から負荷が抜けている感じがする。このままフルレンジを続けて効果はでるんだろうか?」
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- フルレンジとパーシャルレンジとは?
- フルレンジでトレーニングする時のポイント。
- パーシャルレンジを取り入れるメリット。
筋トレ中にどれくらい関節を動かすか意識してトレーニングをしていますか?
トレーニングには関節の全可動域を動かす「フルレンジ」と部分的に動かす「パーシャルレンジ」があります。
もし初心者の人でどちらをやったほうが良いのか悩んでいたら、まずは「フルレンジ」でトレーニングをしましょう。
たくさんの研究からフルレンジのほうが筋力を強化して、筋肥大の効果も高いという結果もでています。
ただパーシャルレンジはやらなくて良い。というわけではありません。
大事なのは使い分けです。
効果的に取り入れればパーシャルレンジも筋肥大にとても有効なテクニックです。
今回はフルレンジのメリットや、パーシャルレンジの取り入れ方を紹介していくので、今まで曖昧なままトレーニングをしていた人は上手に使い分けてみてください。
Contents
フルレンジとパーシャルレンジとは。
トレーニングで関節が動く範囲のこと「可動域」や「レンジ」と呼びます。
アームカールなら腕を真っすぐ降ろした状態から肘が曲げきった所まで、スクワットなら立った状態から体を下ろして膝が曲がる限界の所です。
この関節の全可動域を動かすのが「フルレンジ」になります。
逆に部分的な可動域で動かすのが「パーシャルレンジ」です。
ハーフスクワットや、ベンチプレスでもバーを胸に付けると筋肉の緊張が抜けてしまうという人が、関節の可動域を制限したフォームで行えばパーシャルレンジになります。
フルレンジのほうがパーシャルレンジより効果が高い?
「フルレンジとパーシャルレンジはどちらが効果が高いか?」
実はこの2つの研究はたくさん行われていて、ほとんどの研究で「フルレンジ」のほうが筋力・筋肥大ともに効果が高いという結果がでています。
まずフルレンジのほうがトレーニングボリュームを稼ぐことができ、筋肥大を起こしやすくなります。
トレーニングボリュームは重量×回数×セット数を合計したものですが、もう一つの要素に距離があります。
ポイント
距離はウェイトをどれくらい動かしたかで、パーシャルレンジよりもフルレンジのほうが可動域が大きくなって距離を増やすことができトレーニングボリュームを増やすことで筋肥大を起こしやすくなります。
筋力に関しては「パーシャルのほうが高重量を扱えるから筋力は上がるじゃないの?」と考える人も多いと思います
たしかに、実際に扱える重量はパーシャルのほうが大きくなります、関節を動かす距離が少ないほど高重量でトレーニングすることができるからです。
注意ポイント
パーシャルレンジはスティッキングポイントという動作の中で一番筋出力が弱くなるポイントを避けてトレーニングができてしまいます。
フルレンジはこのスティッキングポイントを何度も経験することで神経系が強化され結果的にパーシャルよりも筋力を向上させることができるようになります。
フルレンジでトレーニングする時のポイント。
- ウェイトを動かす距離が長くなるのでボリュームを稼げる
- スティッキングポイントを何度も繰り返すことで神経系を強化できる。
以上の理由からトレーニングは基本的にフルレンジで行うことをおススメしています。
ただ、フルレンジのトレーニングは気をつけておかないといけないポイントがあります。
それは「筋トレのフルレンジは、あくまで筋肉の緊張が抜けない範囲」ということです。
筋肉から負荷が抜けない最大範囲で動作する。
フルレンジは関節の最大可動域で動作します。
しかし、種目やその人の骨格によっては、フルレンジでトレーニングすると途中で筋肉から負荷が抜けてしまうタイミングがでてきます。
アームカールなら腕を完全に伸ばし切った時は二頭筋の負荷は抜けてしまいます、その時重量を受け止めているのは関節です。
高重量を関節で受け止めていたら怪我をしまう可能性も高くなります。
大事なのは「筋肉から負荷が抜けない最大範囲」と「関節の最大可動域」は違うというのを理解しておくことです。
二つの違いが分かれば安全に効率良く筋肥大させることができるようになると思うので、普段のトレーニングから意識しておくようにしましょう。
フルレンジにこだわってフォームを崩さない。
もう一つはフルレンジにこだわってフォームを崩さない。という事です。
これは特にフリーウェイトを使った種目で多いことで、フルレンジを意識するあまりフォームを崩してしまうことがあります。
注意ポイント
スクワットやデットリフトなどは骨格によってはフルレンジで動作すると、腰が丸まって負担がかりケガをしてしまう可能性があるので、自分にあったフォーム・可動域を理解しておくようにしましょう。
フォームについてはコチラでも解説しています。
「筋肉から負荷が抜けない最大範囲で動作する。」と「フルレンジにこだわってフォームを崩さない。」この二つのポイントを意識してトレーニングしてみてください。
パーシャルレンジを取り入れるメリット。
筋トレの基本はフルレンジです。しかしパーシャルレンジをやる意味が無いわけではありません。
要は使い分けです、トレーニングを効果を高めるテクニックとしてパーシャルを取り入れてみましょう。
パーシャルレンジを取り入れるメリットは4つです。
- フルレンジより高重量が扱える。
- 回数を増やしてボリュームを稼げる。
- 筋肉に効かせやすい。
詳しくみていきましょう。
フルレンジより高重量が扱える。
パーシャルレンジはフルレンジより高重量を扱えます。
これを利用してフルレンジでは使えない重量で神経系に刺激を与えることができます。
ベンチプレスやスクワットで可動域を制限して普通では扱えない高重量でトレーニングすれば、いつもとは違う刺激を与えれ、重量の停滞を抜ける切っ掛けにもなるので、
トレーニングがマンネリ化してきた人は取り入れてみるのがいいでしょう。
回数を増やしてボリュームを稼げる。
可動域を制限すれば回数を増やすことができます。
フルレンジで限界までウェイトを挙げた後、パーシャルで動かせる範囲での動作に切り替えて、さらに追い込めばトレーニングボリュームを底上げをすることができます。
どちらかといえば、マシンやアイソレート種目など筋肥大を目的にしたトレーニングで取り入れるのをおススメします。
コンパウンド種目は追い込みすぎるとケガをしてしまう可能性があるのでうまく使い分けるようにしましょう。
筋肉に効かせやすい。
パーシャルレンジはフルレンジよりも筋肉に効かせる感覚を強く感じることができます。
フルレンジはボトムとトップ、ウェイトを一番下に降ろしたときや逆に上げ切った時に筋肉から負荷が抜けてしまうことがあります。
これはフルレンジトレーニングのポイントで説明した、「筋肉から負荷が抜けない最大範囲」と「関節の最大可動域」に違いがまだ自分ではわからないからです。
しかしパーシャルで行うと筋肉から負荷が抜けやすい場面を省いて動作できるので、初心者の人でも筋肉に効かせやすい状況を作りやすくなります。
ポイント
フルレンジで行うと負荷が抜けてしまう種目や部位があるなら、パーシャルレンジで少しづつ効いている感覚を掴んでいくのもフォームを習得するいい練習法になると思います。
筋肉に効かせ続けることでTUT(筋肉の緊張時間)も伸ばすこともできて、パンプアップもしやすくなるのでトレーニングの最後に取り入れるのもおススメです。
TUTについてはコチラで詳しく。
まとめ:基本はフルレンジでトレーニングしよう。
まとめると、
- トレーニングで関節が動く範囲のことを「可動域」や「レンジ」と呼ぶ。
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関節の全可動域を動かすのが「フルレンジ」。
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部分的な可動域で動かすのが「パーシャルレンジ」。
- 研究ではフルレンジのほうが筋力・筋肥大ともに効果が高いという結果がでている。
- フルレンジでトレーニングする時のポイントは、「筋肉から負荷が抜けない最大範囲で動作する。」・「フルレンジにこだわってフォームを崩さない。」の2つ。
- パーシャルレンジのメリットは、「フルレンジより高重量が扱える」・「回数を増やしてボリュームを稼げる」・「筋肉に効かせやすい」の3つ。
以上になります。
フルレンジとパーシャルレンジどちらが良いかと聞かれたら、「基本はフルレンジでトレーニングしたほうが効果が高い、パーシャルはテクニックの一つとして取り入れる。」のをおススメします。
ただしフルレンジで負荷が抜けない範囲を理解してトレーニングするのは、初心者に人には難しいのでしっかり練習をするようにしましょう。
もしフルレンジで負荷が抜けない範囲がよく分からない。という人は解剖学の本を読んでみるのもアリです。
解剖学を覚えればどのような動きで狙っている筋肉が動いているのかがイメージしやすくなるので、興味があるなら勉強してみるのがおススメです。
本を読むのが苦手という人は、マンガ風になっているもの、イラストが多く載っているいるものを選ぶようにしましょう。
パーシャルはフルレンジに慣れてきたら、ボリュームを増やしたり追い込み目的で取り入れていって遅くありません。
フルレンジとパーシャルレンジを使い分けて効率よくトレーニングしていきましょう。
それでは、また次回。