「筋トレの基本は10回×3セットって聞いて続けてきたけど、重量もなかなか伸びないし筋肥大も止まったような気がする。」
「筋肥大が目的でトレーニングを始めたけど、最近は高重量を上げることが楽しくなってきたので、重量UPが目的のトレーニング法を知りたい。」
こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- 5×5法とは?
- 5×5法の始めるためのポイントと注意点。
- おすすめのトレーニングプログラム。
筋トレ初心者は、まず10回×3セットから始める人が多いと思います。
トレーニングを始めてばかりの人はどんどん重量を増やしていくことができますが、それを続けることはかなり難しいです。
いづれは重量も伸びなくなって筋肥大も止まってしまいます。
10回×3セットは筋肥大のためのボリュームを確保したり、フォームの練習をしたりする場合には効果的ですが、
重量を上げるためにはもっと低回数のトレーニングを取り入れないといけません。
そこで次のステップアップとして取り入れてほしいのが、「5×5法」です。
5×5法は文字通り、5回こなせる重量を5セット行う方法で、高重量でトレーニングすることができます。
筋肥大にはボリュームを増やすことが大事ですが、初心者は筋力を上げることも重要です。
なので、まずは高重量トレーニングの第一歩として、5×5法を初めてみるようにしましょう。
5×5法とは?
「5×5法」は、一つの種目に対して1セットを5回、それを5セット繰り返すストレートセットの一種です。
10回×3セットとの違いは、筋肥大より「筋力」や「神経系」を鍛えるトレーニング法だということです。
高重量を挙げて、神経系を強化する。
ウェイトを持ち上げようとする時、脳から神経を通じて筋肉に「ウェイトを持ち上げろ。」と命令が来て、初めて筋肉は動きます。
筋力を向上させるためには、この神経から筋肉に命令する信号の強さを上げなければいけません。
この信号の強さを上げることができれば、筋力を向上させて、さらに筋肉を刺激することができるようになります。
そのために重要なのが、高重量を使った高強度のトレーニングになります。
高重量トレーニングを始めるには5×5法が最適。
筋力を上げるためには、一般的に5回以下の回数でトレーニングするのが効果的だと言われています。
しかし、初心者があまりにも高重量を使ってしまうとフォームを崩してしまう可能性が高いですし、
逆に5回よりも多いと高重量の効果が薄くなってしまいます。
5×5法は初心者にちょうど良い回数設定とボリュームで、トレーニングの時間もそこまで変わりません。
覚えておきたいのは「神経系を強化するには、低回数でセット数を多くするのが大事。」ということです。
実際パワーリフターは1~3回でセット数を多めにして神経系のトレーニングをメインしています。
ただ、高重量ばかりだと関節にも負担が増えてしまうし、
ボリュームを確保しようとセット数を増やしたらトレーニング時間がかかりすぎてしまうので現実的ではありません。
普通のトレーニーが「高重量トレーニングを始めよう。」と思ったら、まずは5×5法から始めるようにしましょう。
5×5法の始めるためのポイントと注意点。
「5×5法」は高重量トレーニングの入門には最適ですが、
しっかりとした準備と具体的なやり方を知っていないと効果は半減しまいます。
トレーニングを始める前に5×5法のポイントと注意点をしっかり覚えておきましょう。
5×5法のポイント
ポイントは3つあります。
- BIG3やコンパウンド種目などメインの種目で取り入れる。
- 全セット同じ重量で、最終セットで5回達成を目指す。
- 週2~3回トレーニングするのが効果的
詳しくみていきましょう。
BIG3やコンパウンド種目などメインの種目で取り入れる。
5×5法は高重量を扱えるBIG3やコンパウンド種目など、基本的にバーベルを使ったトレーニングで行いましょう。
ダンベルやケーブル種目は筋肥大やパンプ目的で中負荷~低負荷で取り入れるもので、筋力向上を目的にする場合は不向きです。
上級者の人はメインの種目でダンベルを取り入れる人もいますが、基本的な筋力を上げたい人は細かい筋肉も鍛えることもできるバーベル種目を取り入れるようにしましょう。
初心者がバーベル種目を取り入れるべき理由はコチラで詳しく。
全セット同じ重量で、最終セットで5回達成を目指す。
5×5法はストレートセットの一つです。
重量は全セット同じで、最終セットで5回できる重量を選択するようにしましょう。
理由は毎セットギリギリだと怪我をしてしまう危険があるのと、トレーニングボリュームを確保するためです。
特に初めて高重量を扱う人は10回でトレーニングしていた時よりもフォームを崩してしまう可能性が高いです。
初めて5×5を始める人は軽い重量から初めて少しづつ重くしていくようにしましょう。
最終セットで5回挙げることができたら、次回のトレーニングで重量を上げるようにしましょう。
ストレートセットは重量を固定するのが大事なのでいっしょに覚えておきましょう。
週2~3回トレーニングするのが効果的
筋肥大より筋力向上が優先させるなら、できるだけ頻度を上げるのが効果的です。
頻度を上げることのメリットは第一にフォームがうまくなることです、単純に週1回の練習より2回3回と多くしたほうがフォームは上達します。
もう一つは身体を高重量に慣らしておくことです。
筋肥大は週に1回の頻度でもボリュームを増やすことができれば大丈夫ですが、筋力は期間を空けるととすぐ使用重量が落ちてしまいます。
週1回だと重量を維持するのが精いっぱいで増やすことが難しいという人が、頻度を上げると重量が伸びてきたというパターンは多いです。
週1回の頻度でトレーニングしても問題なく重量があがる人はあまりいません、
もしなかなか重量が上がらないという人は頻度を増やしてみるのをおススメします。
5×5の注意点
注意点は2つです。
- 高重量使うのでフォームを崩しやすい。
- 関節や腱に疲労が溜まりやすい。
詳しく見ていきましょう。
高重量使うのでフォームを崩しやすい。
10回×3セットをメインにしていて、初めて高重量に挑戦する人はフォームを崩してしまう可能性が高いです。
特に5セット目はフォームを崩してでも何とか挙げようとしてしまう事が多いので、
「何とか4回は挙げれたけど、次は潰れるかもしれない。」と思った時は無理せずセットを終了するようにしましょう。
限界まで筋肉を追い込むことは大事ですが、それはフォームを崩さないことが大前提です。
もしフォームに不安が残っているなら、5×5をやるのはまだ早いです。
あせらずフォームを固めることに集中して、少しづつ高重量のトレーニングに慣れていくようにしましょう。
怪我の防止やフォームを安定させるのが難しい人はトレーニングベルトを使うのもいいでしょう。
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関節や腱に疲労が溜まりやすい。
高重量を扱うと関節や腱にどうしても疲労が溜まってきてしまいます。
トレーニングを始めたばかりの頃は扱う重量が軽いので問題ないですが、重量が上がっていくにつれてケガの可能性も高くなっていきます。
筋力を向上させるためには頻度を高めたほうが良いですが、ある程度高強度でトレーニングする期間を作ったら、
次は頻度を減らしたり重量を軽くして疲労を回復させるディロード期間を作るようにしましょう。
メモ
ディロードは一定期間トレーニングの負荷や頻度を軽くして、筋肉や関節の疲労を回復させて、その後のトレーニングの強度を上げる方法。
期間は1週間~10日で目安は2~3月に一度くらいですが、重量が伸びなかったり関節の痛み疲労感がでてきたら積極的にとるようにしましょう。
とにかく高重量のトレーニングはケガのリスクが高いので、フォームの練習と疲労管理は徹底するようにしましょう。
おすすめのトレーニングプログラム
メインのセットを5×5法に変えるのもいいですが、トレーニングプログラムを取り入れてみるのもおススメです。
5×5は基本的に「体全体を大きくしたい。」人に向ています。腕や肩など細かい筋肉も鍛えたい人は別のトレーニングをするようにましょう。
今回は「StrongLifts 5×5」を紹介します。
StrongLifts 5×5
StrongLifts (ストロングリフト)5×5は、A・B二つのメニューを交互に週3回の頻度でトレーニングしていきます。
全てコンパウンド種目で、ほとんどの種目は5×5でセットを組んでいくので疲労管理はしっかり行うようにしてください。
ケガをする可能性も高いので、フォームに自信が無い人はあせらず練習してフォームを固めてから始めるようにしましょう。
メニュー
メニューはA・Bの2つがあります。
メニューA
- スクワット:5×5
- ベンチプレス:5×5
- バーベルロー:5×5
メニューB
- スクワット:5×5
- オーバーヘッドプレス:5×5
- デッドリフト:5×1
基本のBIG3と、バーベルロー、オーバーヘッドプレスの5種目でトレーニングしていきます。
種目の順番は入れ替えず、上から順にやるようにしましょう。
個人的にバーベルローに関してはフォームの習得が難しく初心者が背中を鍛えるなら、
まずチンニングを覚えたほうが良いと思うので入れ替えるのもアリです。
チンニングも加重していけば5×5でトレーニングできるので、自分に合ったほうを選んでみてください。
加重ベルトはディップスでも使えるので一つ持っておくのもいいでしょう。
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注意ポイント
デッドリフトだけ1セットになっていますが、これは全身運動で5セットしてしまうと次のトレーニングまでに回復しなかったり、追い込みすぎると他の種目よりケガの危険性が高いため他より少なくなっています。
頻度
頻度は週3回でA・Bを交互にトレーニングしていきます。
1週目
- 月曜:メニューA
- 火曜:休み
- 水曜:メニューB
- 木曜:休み
- 金曜:メニューA
- 土曜:休み
- 日曜:休み
2週目
- 月曜:メニューB
- 火曜:休み
- 水曜:メニューA
- 木曜:休み
- 金曜:メニューB
- 土曜:休み
- 日曜:休み
2週間でA・Bどちらも3回トレーニングするようになります。
大事なのはトレーニングの次の日は休みにして、しっかり疲労を回復させることです。もし疲労が抜けていないと感じたら2日休みを取るようにしましょう。
曜日でジムに行く日を固定していますが、
大事なのは「トレーニングしたら1~2日休んで、またトレーニングする。」これを守れば問題ないです。
自分にあった頻度で進めていきましょう。
具体的な進め方
ここから具体的な進めかたを説明していきます。
まずはウォームアップです。
ウォームアップの基本は、「メインセットのために体を温めておく」、「フォームの確認をする」この二つです。
メインセットの前に疲れがでないように最低限ですませるようにしましょう。
具体的にはメインの半分の重量で回数多めで1セット、次の70~80%でフォームの確認をして計2セットぐらいがおススメです。
続いてインターバルです。
筋力を上げるためには3~5分取ってしっかり回復させるようにしましょう。
短いインターバルでは最大限のパフォーマンスを発揮させることができないのでタイマーを使ってきっちり測るようにしましょう
インターバルについてはコチラで詳しく。
重量を上げるタイミングは、最後のセットで5回目をスムーズに上げることができたら次のトレーニングで2.5キロ上げるようにしましょう。
最後の1回をギリギリ上げれる状態で重量を上げてしまったら、次のトレーニングで極端に回数が減ってしまうことが多いので焦らず少しづつ重量は伸ばしていくようにしましょう。
前回の重量を忘れないためにも記録を忘れず取っておくようにします。
重量と一緒に「5回目は挙げることはできたが、ギリギリだった。」「フォームを少し崩してしまった。」などメモを取るのもおススメです。
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記録を取るメリットについてはコチラで詳しく。
最後はどれくらいの期間続けるがいいのか?
最低でも1ヵ月、長くても半年ぐらいを目安にしましょう。
1ヵ月以下だと効果は出にくいですし、半年も続けていれば筋肉も刺激に慣れて重量も停滞してしまいます。
なので目安は2~4ヵ月くらい続けて終わったらディロードをいれて、また新しいプログラムを初めてみるようにしましょう。
まとめ:5×5法で神経系を強化しよう。
まとめると、
- 「5×5法」は、一つの種目に対して1セットを5回、それを5セット繰り返すストレートセット法の一種。
- 高重量を挙げるためには、神経系を強化する必要がある。
-
高重量トレーニングを始めるには5×5法が最適。
- 5×5法のポイントは「BIG3やコンパウンド種目などメインの種目で取り入れる。」・「全セット同じ重量で、最終セットで5回達成を目指す。」・「週2~3回トレーニングするのが効果的」の3つ
- 注意点は「高重量使うのでフォームを崩しやすい。」・「関節や腱に疲労が溜まりやすい。」こと。
- おすすめのトレーニングプログラムは「StrongLifts 5×5」
以上になります。
神経系を鍛えて筋力を上げることは、筋肥大を目的にしている人にとっても大事です。
基本的に筋力と筋肥大は相関関係になっているので、どちらか一方だけ向上させ続けることはできません。
筋力を上げる神経系のトレーニングをしたら、今度はボリュームを増やして筋肥大がメインのトレーニングをしていく、
これを期間を分けてやっていくようにしましょう。
個人的には単純に高重量を挙げることは人によっては、
筋肥大よりも楽しくトレーニングのモチベーションを上げてくれるので、そこも大きなメリットだと思います。
5×5法で楽しみながら高重量に挑戦していきましょう。
それでは、また次回。